オークランドで

マオリの人に会うには
2013/1/2 18:46 at K' Road in Auckland



あっ、マオリの人発見!

そう一番、最初に見つけたのは、

まさに、仕事中のスチュワーデスさんです。

かっこいいです。

クウィーンズタウン発オークランド行き。

ジェットスターの中。


あぁ、私は、窓際の席で。

彼女は、フーフーとストローみたいので、
緊急時の救命ベストの説明を
している。


この人ではないな。。

窓の外は、雲で真っ白。

私は、ぐっすり眠っていました。




私は、ついにこの旅の最終宿泊地、

オークランドに戻ってきました。


初日は、乗り換えで空港を歩いただけ。



とりあえず、今日中にマオリの人にこのKoru(コル)を

かけてもらう。

それだけのためにここにいるような感じです。





以前読んだ本では、

ニュージーランドの南島には

マオリの人がやってくる前からの先住民がいて、

北島にあとからマオリの人が入ってきたということです。

でも、今の歴史では先住民の代表は、マオリの人になっている。



空港でみつけたガイドブックには、

マオリの人が大きな口をあけて、

舌をベローンとだして、

威嚇しているような

そんな写真が載っています。


そう、このオークランドは、北島。

北島にこのミュージアムがあるのも自然なのかも。


ここ、ここに行けば、絶対、大丈夫!!

そんな、焦りと、期待で頭は、いっぱいでした。


空港からの乗り合いのバスは、
いろんな人が乗ってきました。

「10分くらいで着くから。」

そう言われてから、多分、
20分はここ、空港にいます。

大学生でしょうか?
韓国の男女の5、6人のグループが乗ってきました。

次にインドの人かな?
4人の男女です。
彼らも学生みたいです。

それぞれが別々の宿泊先で降りていきました。
明日の朝、迎えに来て欲しいと、
運転手に予約をしています。

私は、最後に降りました。
私も予約をしました。



部屋は、クリーム色のパイプベッドとテーブルと冷蔵庫。

病院ぽいですが、今日、一晩だけ。





今日は、泊まる場所の地図を見ても、

イマイチ方向感覚がつかめません。


自分が家でグーグルマップを印刷したのものは、

あまりにも近距離すぎてしまっています。

周りの方向がつかめないのです。






いつ、どこで誰かを見つけてもいいようにと、

腕からかけられる、小さな腕用リュックみたいなのに、

箱のままのKoruを入れて、いざ、部屋を出発!!


まず、レセプション。

「あのー、ここは、この地図だと、どこですか?
ミュージアムに行きたいんですけど、どうやって行けますか?」


出て、左で、少し行くと、スターバックスがあるから、そこのバス通りで、
バスを乗って、それで行けるわよ。


私は、早速、なぜか、右に曲がっていました。

そうして、もう、地図がわかりません。

意外に坂道が多く、

どっちが海なのか、どっちがミュージアムの方向なのか、

もう、わからなくなっていました。


一生懸命ゲームをしながら歩いている人が、

私の横をとおり過ぎていきました。


やっぱりあの人にまた聞いてみよう。


「えっ?ミュージアム?もう、閉まってるわよ。」

ゲームの手を止めて、私の不思議な話しに付き合って
くださいました。


「マオリの人にネックレスをかけてもらうの?
う~ん、○○だとたくさんいると思うけど、
ここを戻って、バス通りに出たら、
それで、また誰かに聞いてみて。」

私の頭はミュージアム一色。

その○○の名前はすっかり忘れてしまいました。

それに、レセプションの人は、23時まで開いていると話していた。


さぁ、とりあえず、バス通りに行ってみよう。

「ありがとう。」


クライストチャーチで2日間歩き回り、
さらには、クウィーンズタウンでもずっと、歩いていた。
それで、ここオークランド。

ここも坂だらけ。

そろそろ、足の付け根やふくらはぎが
痛みを感じていました。


でも、行かなきゃ。
ミュージアムへ!!


やっと、バス通りに出てきました。
バス停はどこ?

バス停発見!


信号を渡って右に歩いてきました。


今度はバス停に並んでいる人に、
聞きました。

「それは、反対側の赤いバスよ。」


反対側のずっと斜めの方を見ると、赤いバスが止まっています。


走りました。



信号も無視して、まって~、赤いバス!




「このバスは、ミュージアムへ行きますよね?」

運転手さんは、うなずいています。


あっ、マオリの人です。

バスの運転手さんがマオリの人です。


「ニュージーランドは、タクシーの運転手の人とか町を歩けば、
マオリの人に会えるから、必ずマオリの人にかけてもらうんだよ。」

日本で言われた言葉を思い出しました。


その通りです。
運転手さんは、マオリの人でした。

私は、バスに乗れても、椅子に座っても、
なんだか、焦りのような気持ちがありました。

バスは動き出しました。


「降りて。
このバスは、ミュージアムに行かないから、緑のバスに乗って。」


100メートルも走っていないでしょう。

私は、すぐに降ろされました。


赤いバスでもない、
緑のバスは?
歩けば、いいかな?

地図を見ると、そう遠くはないけど、
40分は歩く距離かな?

ちょっと歩いてみよう。

あぁ~、でも、足が痛い。





「マオリィ~~~!!」


「オゥー!」



??????





私の右手側の車道から、

ゆっくりと走っていく真っ赤なゴミ収集車の後ろで
男の人が2人、どこかに足をひっかけて、立っています。
そのうちの一人が大きな声で言ったのです。

「マオリィ~~~!!」


そして、その真っ赤なゴミ収集車は、あっという間に
向こう側へ行ってしまいました。


ここは、商店街です。
私の左手には、たくさんの飲食屋さんが並んでいて、
オープンテラスのような雰囲気です。
お店と歩道に壁はありません。

ちょうど、ゴミ収集車の男性から声をかけられた人は、
マオリの男性でした。

彼は、白人の女性と向かい合わせで食事をしています。


マオリの男性は、こちら側を向いて座っています。
女性は、私と同じ進行方向を向いて座っています。


私は、彼らの前を通りすぎました。


ふーん、あの人もマオリの人なのねぇ。

でも、私は、ミュージアムに行くの。


今のゴミ収集車の人とマオリの人は
別に、友達でも、知り合いでもなさそうだったなぁ。


まさか、あの、今、「オゥー!」と手を大きく振った人。

あの人にお願いする?

けれど、食事中だったし、

まして、女性と一緒に食事をしている。

そこに、声をかけても迷惑だろうし。


私は、足が痛い、

早く、マオリの人に会いたい、

頭の中はごちゃごちゃでした。


すこし歩いて、

橋の手前の信号待ちからのながめ。

あの橋を渡って、、、地図とその場所から眺める橋の先は?

ずいぶんと長い、ながい橋に見えました。


もう、今日は、これ以上、歩けないなぁ。



!?



そうよ!

さっきのは、サインだったんだ。


私は今、足が痛い。
もう、歩くのも限界。
そして、バスの運転手は降りなさいと、なぜか発車直後に
私はバスから降ろされた。

そして、バスを降りてすぐに、
私の目の前で、
右から「マオリィ~!」
左から「オゥー!」
と元気よく、声があがった。

そうだ、
それに、彼女がいるなら、
首にかけてもらう瞬間の写真を撮ってもらえるじゃない?


そうよ、女性と食事中だからって、
迷惑とか、そんなの、おかしな考えだわ!


それは、私が勝手に決めつけの思い込みに過ぎない。
これは、日本人的考え方なのか?
ここは、ニュージーランド!
日本じゃない!


とにかく、あの「オゥー!」の人にお願いしてみよう。


私は元気よく歩いて、戻りました。


よかったぁ~。 まだ、あの2人は座っていました。



私:「あの~、お願いがあるんですけれど。」


私は、まず、女性に声をかけてみました。

彼女は、とっても明るい、素敵な笑顔で
満面の笑みで応えてくださいました。

私は、内心、ホッとしたのと、喜びがありました。

彼女:「どうしたの?」

私:「あの~、あなた、マオリの人ですよね?」

マオリの人:「うん。写真?」

彼女:「撮ってあげるわよ。」


よくわかりませんが、
私は”写真”や”カメラ”の言葉を口にしていません。
でも2人はそう言っていました。


私:「えぇ、写真もそうなんですけど、もう一つお願いしたいことがあって。」

私は、腕の小さいリュックからすぐに取り出しました。
このネックレスをマオリの人にかけてもらうと
いいと聞いたから、ぜひこれを首にかけてもらいたいと。

マオリの人:「いいよ!」

彼女もニコニコ顔です。


ここで、私はカメラを背中のリュックから取り出しました。


マオリの人:「この模様はね、はじまりの意味があるんだ。」

そのKoru(コル)を彼は左手に持って、右手の指で、その模様に沿って動かして、
私に説明をしてくださいました。


やったぁーーー!!!!!


首にかけてもらったときは、
私は、ただ、嬉しかったです。


2人と握手をして。


ありがとう!!
本当にありがとう!!


彼の名前は「トニー」でした。

スペルは聞かなかったけど、たぶん、"Tony"でしょう。



私は、足の痛さも気づけば吹っ飛んでいました。
気分は、晴ればれ。

今、バスに乗ったり、歩いたりの歩道が急に明るく見えました。

歩いてきた歩道にも、ほら。
Koruのような、グルグルの模様です。


さっきは、なにも目に入っていなかったね~。

こうして、心が満たされると、

視野が広くなる。


よし、目的は果たせた。

ご飯を食べよう。



本当にさっき、歩いた同じ歩道?

初めて見るお店ばかりにみえました。

タトゥー屋さん、

独特な雰囲気の雑貨屋さん。

この商店街は、面白いです。

飲食店以外は、閉まっています。


それもそうです。外は、明るいですが、

時間は、遅いのです。


トルコ料理屋さんを見つけました。

簡単なテイクアウトもしているカジュアルなお店でした。

おすすめを聞いたら、

チキンとライスがいいというので、それにしてみました。

ジュースは、適当に決めたら、オーガニックでした。


2013/1/2 18:57 トルコ料理屋さん
地図を広げていたら、そこに、「はい」とお店の人が置きました。
途中も、どう?おいしい?とウェイトレスの人が話しかけてきます。

さぁ、ここで食べて、それから、

まだ明るいから、せっかくだから、海の方に行ってみよう。


もう、このとき私は、足の痛みは本当になくなっていました。



ここで食べていたら、先ほどの2人が歩道をきゃっ、きゃっと

歩いています。


彼女の方は、通り過ぎて見えなくなりました。

あっ、彼には、声をかけなきゃ。

「トニー!さっきはありがとうね~~!!」

私は、手を振りました。

「Oh, It's ok !!」

そのニュアンスには、
「あぁ、気にしないんで。いいんだよ~。」

私には、そんなふうに感じました。


彼はスキップして歩いているのか、
私には、なんだか、お茶目な感じで、かわいらしくも見えました。


バスケットボール選手のような、脇が大きくあいているランニングタイプの服に、
短パンで、そんなラフなスタイルのトニーでした。
もちろん、両腕には入れ墨がありました。



ご飯を食べながら、また回想していました。

ニュージーランドで、まともなKoruを買うことができたこと。

これも私にはすごい奇跡的だった。

クライストチャーチのミュージアムでこのKoruを購入してから、

何件のお土産屋さんに私は足を入れた?


Koruは売っていても、
この色のこのカタチは、ほかのお店にはどこにもなかったのです。


あぁ~、あそこのミュージアムだって、
偶然、宿から目と鼻の先にあった。

そうして、今、こうして、首からぶら下がっている。


それも、今さっき。

トニーに出会えたことは、
この人生の中でもすごい瞬間だったんだわ、きっと。


彼女も素敵な笑顔の人だったぁ。

彼女も入れ墨をしてたっけ?


2人とも素敵な人だったぁ~。


そうして気持ちが満たされていたいるところに、

ここに座ってもいい?

とおじさんが声をかけてきました。


どうぞ。


近所でフランス料理店で働く、インドの人でした。


ご飯を食べ終わっても、

まだ、外で待っていました。


「私は、この通りに出たいんです。」
「それなら、こっちだよ、一緒に行くよ。」

"I want to be alone."(私は、一人でいたいんです。)

「そっか、それなら、気をつけて。
それならこの道を行って、そこを左に曲がるんだよ。」

そうでした。

日本語でも英語でも
自分の思ったこと、言いたいことは、
相手に向かって、はっきりと言わなきゃです。

でも、この言葉がすんなりと口から出てきた。
よかった~。

もしかしたら、この言葉を言わせるために?
今さっきのインドの人と会話をする必要があったのかな?


どうしてそう思ったかというと、
5、6年前にロンドンを一人で歩いていたら、
やはり、インド系の人がずっとついてきました。

私は、「一人でいたいから、あっち行って!」が言いたくて、
仕方なかったのです。

それで、ただ、無言で歩いて、そのインド系の人が
見えなくなった、、そんな記憶がよみがえりました。


でも、今、言えた。
お互い、すっきりした表情でした。



そうして、また私は、すがすがしい気持ちで歩き続けました。
海に向かって!


また、インド系の人が話しかけてきました。
私がバス停の地図をカメラに収めているのが、
面白い姿に見えたのでしょうか?


こんなふうになぜか私は、インド系の人に短時間の間に話しかけられました。


「あぁ、残念!明日の朝の便でなければ、
家に招待して、ご飯を一緒に食べれるのにね~!」


彼は、この近所に住んでいるそうです。


「ごめんなさい、では!」


2013/1/2 19:29 in Auckland


恵里子ちゃんにこのインド系の人について
話してみました。

彼女もそうだと言います。

「そうそう、彼らは話し好きなのかもね。」

そういえば、日本でインド料理屋さんに行った時にも、
食べている時にも、ずっと話しかけてきました。

「そうかもね。」

きっと、人なつっこい人柄なのでしょう。


2013/1/2 20:10 at the Waitemata Harbour in Auckland

海が見えました!

海です。


港です。

船もある。


椅子がありました。


座ろうっと。


!?


”COSMIC”


虹色です。


木のベンチに座って、

そのカラフルな色に何気なく目を向けたところに

あった文字です。

2013/1/2 20:08 at the Waitemata Harbour in Auckland
"
COSMIC"


私は、一人で口を開けて、笑ってしまいました。


意味は、「宇宙の、宇宙的規模の」

そんな感じです。


はぁ~、面白い。



ニュージーランドに着いて、

無事、用は済みました。



明日は日本に帰ります。


そんな気持ちで、椅子に座っていました。

2013/1/2 20:11 in Auckland
2013/1/2 20:26 in Auckland


そして、宿に帰る途中、これは一応、見ておかなきゃのタワーを発見!


2013/1/2 20:37 in Auckland

"SKYTOWER"
2013/1/2 20:41 in Auckland
スカイタワーがビルに映っていた。

街中にもバンジージャンプがあって、それは、川の谷間よりも

スリリングだとクウィーンズタウンへ向かうバスでガイドさんが話していたなぁ。


これなのね~!!





さぁ、ここからが大変でした。


あっという間に真っ暗になってしまって、

人もほとんどいない。


急な上り坂。

今は、真面目に足が痛くなってきています。


私は、本当に道に迷いました。

宿にたどり着けません。


いつの間にか宿を通り過ぎて、

トニーと会った、バス通りまで歩いてきていました。


町中にいたるところに道の名前の標識はありますが、

こう、日が落ちてしまっては、真っ暗で何も読めないのです。


人を見つけました。

その宿はどこにあるかわからないといいます。


あぁ~、宿はどこ~?
あと15分くらいで夜の10時です。


とにかく歩いて。

戻ってみよう。


どこからか男の人がささっと
信号をわたっていきました。


まっすぐすすんで行きました。


私は、渡って、右に折れてみました。
もしかして、この建物?
敷地内かもしれない駐車場を左に折れて?


あら~。
実は、男の人がそのすぐ渡った、行った先に
宿があったのです!


私は、自分の宿の外観を明るい時に全く
見ていなかったのです。


今私は、宿泊先の建物を左回りに一周していました。


こういう時の自分の気持ちと

そこをその瞬間に通る人との関係。



私は、なんども学ばされているようです。



とにかく、無事、私はニュージーランドで過ごすことができました。



明日は、朝の7時にここを出発だわ!


ありがとう、オークランド!


ありがとう、トニー!!





2013/1/2 18:47 at K' Road in Auckland